未払い残業代の心当たりがある状態で退職代行を検討している場合、結論としては「未払い残業代を実際に交渉・請求できるのは弁護士系と労働組合系だけ」であり、民間系ではこの金額を回収見込みとして計上できない点をまず押さえておく必要があります。
未払い残業代は運営元によって対応できるかが分かれる
未払い残業代の請求は、単なる連絡ではなく、金額や根拠について会社側と交渉する行為にあたります。弁護士系はアディーレ法律事務所の解説にあるとおり、未払い残業代請求のような金銭請求を含む法的な争いにも対応できるとされています。労働組合系も労働組合法上の団体交渉権に基づき交渉が可能ですが、金額の大きい請求や法的な争いに発展しうる案件では対応が限定的な場合があります。
これに対して民間系は、弁護士法72条により、会社との交渉ができず、退職の意思を伝える連絡代行のみが可能です。未払い残業代の請求は会社側との金額交渉そのものであるため、民間系がこれを代行することは法律上できません。
損益分岐の考え方
損益の目安 = 回収できる可能性のある経済的メリット(有給消化分+未払い残業代の見込み) − 退職代行の費用
未払い残業代の見込み額が大きいほど、費用に対して回収見込み額が上回りやすくなり、損益分岐の目安はプラスに傾きやすくなります。ただし、これはあくまで弁護士系・労働組合系を選んだ場合の話であり、民間系を選んだ場合はこの見込み額そのものを回収見込みに含めることができません。
費用相場との比較
費用相場は情報源によって幅がありますが、目安としては民間系がおおむね2万円〜3万円、労働組合系がおおむね2.5万円〜3.5万円、弁護士系が3万円〜10万円程度とされています。仮に未払い残業代の見込み額が10万円を超えるようなケースであれば、弁護士系・労働組合系の費用を上回る可能性が高くなりますが、金額の大きい請求ほど法的な争いに発展しやすく、対応できる範囲を事前に確認することが重要です。
判定結果はあくまで目安であることに注意
未払い残業代が実際に認められるかどうかは、勤務先の対応や個別の事実関係により異なり、結果を保証するものではありません。タイムカードや業務日報などの客観的な記録が残っているかどうかによっても、交渉のしやすさは変わってきます。
自分のケースで試算してみる
月収・残っている有給休暇の日数に加えて、未払い残業代の心当たりがある場合はその見込み額を入力することで、3類型それぞれの損益分岐の目安を確認できる退職代行 元取れる?損益分岐チェッカーを用意しています。
本試算は一般的な目安であり、実際に有給休暇を消化できるか・未払い残業代が認められるかは、勤務先の対応や個別の事実関係により異なり、結果を保証するものではありません。退職代行サービスは運営元の種類(弁護士系・労働組合系・民間系)によって対応できる範囲が法律上異なります(民間系は退職の意思を伝える連絡代行のみで、有給消化や未払い賃金の交渉は弁護士法72条により行えません)。個別の法的判断は弁護士等の専門家にご確認ください。(本ツールのデータの調査時点: 2026-09-12)
出典: 退職代行と未払い残業代請求に関する解説(アディーレ法律事務所)、弁護士法72条違反の可能性に関する解説(加藤ゼミナール法律事務所)、労働組合の団体交渉権に関する解説(加藤ゼミナール法律事務所)、退職代行サービスの依頼金額に関する解説(ベンナビ労働問題)を横断的に参照した調査時点の目安