退職代行の損益分岐は、「回収できる可能性のある経済的メリットから費用を差し引いた金額がプラスかマイナスか」という単純な考え方に基づいています。ここでは具体的な数値例を使って、3類型それぞれで損益分岐がどう変わるかの目安を見ていきます。
損益の目安 = 回収できる可能性のある経済的メリット(有給消化分+未払い残業代の見込み) − 退職代行の費用
具体例:月収28万円・有給残日数10日・未払い残業代の心当たりなし
このケースでは、日給の目安はおよそ1.4万円程度、有給消化分の経済的価値の目安はおよそ14万円程度になります。民間系は交渉ができないため回収見込み額は0円で、費用のおよそ2万円〜3万円がそのままマイナスとして残ります。労働組合系・弁護士系は、費用のおよそ2.5万円〜10万円を差し引いても、回収見込み額が上回る可能性が高い目安になります。
具体例:月収22万円・有給残日数3日・未払い残業代の心当たりなし
このケースでは、有給消化分の経済的価値の目安はおよそ3.3万円程度にとどまります。労働組合系・弁護士系でも、費用の目安と回収見込み額の目安が近くなり、損益分岐は五分五分程度になりやすい水準です。民間系は同じく回収見込み額が0円のため、費用の全額がマイナスとして残る計算になります。
具体例:未払い残業代の心当たりが大きいケース
未払い残業代の見込み額が10万円を超えるようなケースでは、労働組合系・弁護士系ともに費用を大きく上回る回収見込み額の目安になりやすい一方、労働組合系については金額の大きい請求への対応が限定的な場合があるため、本ツールでは判定のみを「元が取れる可能性が高い」から「五分五分(状況次第)」へ保守的に扱っています。回収見込み額の数値そのものは書き換えず、確信度だけを保守化する設計です。
民間系は常に回収見込み額が0円である点を踏まえる
どのケースでも共通しているのは、民間系は弁護士法72条により、会社との交渉ができず、退職の意思を伝える連絡代行のみが可能であるため、回収見込み額が常に0円として扱われる点です。安さだけで民間系を選ぶと、有給消化や未払い残業代の回収まで期待していた場合に、費用に見合う結果が得られない可能性があります。
あくまで目安であることを踏まえて活用する
ここで示した数値例はあくまで一般的な目安であり、実際に有給休暇を消化できるか・未払い残業代が認められるかは、勤務先の対応や個別の事実関係により異なり、結果を保証するものではありません。
自分の条件で試算してみる
月収・有給残日数・未払い残業代の心当たりを入力するだけで、こうした損益分岐の目安を自動で試算できる退職代行 元取れる?損益分岐チェッカーを用意しています。
本試算は一般的な目安であり、実際に有給休暇を消化できるか・未払い残業代が認められるかは、勤務先の対応や個別の事実関係により異なり、結果を保証するものではありません。退職代行サービスは運営元の種類(弁護士系・労働組合系・民間系)によって対応できる範囲が法律上異なります(民間系は退職の意思を伝える連絡代行のみで、有給消化や未払い賃金の交渉は弁護士法72条により行えません)。個別の法的判断は弁護士等の専門家にご確認ください。(本ツールのデータの調査時点: 2026-09-12)
出典: 退職代行サービスの依頼金額に関する解説(ベンナビ労働問題)、退職代行の料金相場比較(退職代行ムリスルナ)、弁護士法72条違反の可能性に関する解説(加藤ゼミナール法律事務所)、労働組合の団体交渉権に関する解説(加藤ゼミナール法律事務所)を横断的に参照した調査時点の目安