結論から言うと、労働基準法で定められている正式な「平均賃金」の算定方法と、本ツールが有給消化分の経済的価値を見積もるために使っている「月収÷20日」という簡易換算は、まったく別の計算方法です。本ツールの数値はあくまで大まかな目安として利用してください。
労働基準法上の「平均賃金」とは
労働基準法上、平均賃金は原則として、算定事由が発生した日以前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割って算出するとされています。賞与など臨時に支払われた賃金は原則として含めないなど、細かい除外規定もあり、実際の計算はケースによって複雑になります。この平均賃金は、解雇予告手当や休業手当など、労働基準法上のさまざまな場面で用いられる基準です。
本ツールが採用している簡易換算
本ツールの日給の目安 = 月収 ÷ 月間所定労働日数(20日の簡易換算)
これに対して本ツールでは、有給休暇1日分の経済的価値をざっくりと見積もるために、月収を月間の所定労働日数の目安である20日で割るという、より単純な計算式を採用しています。暦日数ではなく所定労働日数を使う点、直近3か月の実績ではなく現在の月収をそのまま使う点など、正式な平均賃金の算定方法とは前提が異なります。
なぜあえて簡易計算を採用しているのか
正式な平均賃金の算定には、直近3か月の給与明細など詳細な情報が必要になり、診断ツールの入力項目としては負担が大きくなります。本ツールは損益分岐の「目安」をすばやく把握してもらうことを目的としているため、あえて月収と有給残日数という2つのシンプルな入力項目だけで試算できる簡易換算を採用しています。
数値のズレをどう受け止めるべきか
この簡易換算による数値は、正式な平均賃金の算定結果と一致するとは限らず、実際の金額とは多少のズレが生じる可能性があります。特に月収が変動制の給与体系(歩合給・残業代の変動が大きい等)の場合は、ズレが大きくなりやすい点に注意が必要です。本ツールの試算結果は、あくまで大まかな損益分岐の傾向をつかむための目安として活用してください。
実際の金額を正確に知りたい場合
実際に退職時の平均賃金や有給休暇の買取相当額を正確に知りたい場合は、直近の給与明細をもとに、弁護士や社会保険労務士等の専門家に確認することをおすすめします。本ツールの数値と実際の金額に差があっても、それは計算方法の違いによるものであり、どちらかが誤っているというわけではありません。
まずは目安を確認してみる
月収と残っている有給休暇の日数を入力するだけで、簡易換算による経済的価値の目安と、3類型それぞれの費用相場・回収見込み額を比較できる退職代行 元取れる?損益分岐チェッカーを用意しています。
本試算は一般的な目安であり、実際に有給休暇を消化できるか・未払い残業代が認められるかは、勤務先の対応や個別の事実関係により異なり、結果を保証するものではありません。退職代行サービスは運営元の種類(弁護士系・労働組合系・民間系)によって対応できる範囲が法律上異なります(民間系は退職の意思を伝える連絡代行のみで、有給消化や未払い賃金の交渉は弁護士法72条により行えません)。個別の法的判断は弁護士等の専門家にご確認ください。(本ツールのデータの調査時点: 2026-09-12)
出典: 令和6年就労条件総合調査 概況(厚生労働省)、弁護士法72条違反の可能性に関する解説(加藤ゼミナール法律事務所)を横断的に参照した調査時点の目安