結論として、退職代行サービスを選ぶ際は、料金の安さだけでなく、運営元の法的な立場や対応範囲を確認することが重要です。この記事では、料金以外に確認しておきたいチェックポイントを整理します。
料金相場の全体像を押さえる
複数の比較メディアを横断すると、民間系はおおむね2万円〜3万円、労働組合系はおおむね2.5万円〜3.5万円、弁護士系は意思伝達のみなら3万円前後から、交渉を伴う複雑なケースでは5万円〜10万円程度になることが多いとされています。エン・ジャパンが実施した退職代行サービスに関する実態調査でも、退職代行の利用実態や認知度に関する傾向が示されており、サービス自体の利用は一定程度広がっていることがうかがえます。料金だけを見ると民間系が最も安く見えますが、その分できることも限られている点に注意が必要です。
チェックポイント1: 運営元の法的な立場
退職代行サービスは、弁護士系・労働組合系・民間系の3類型に分かれ、それぞれ法律上できることが異なります。弁護士系は有給消化や未払い残業代の交渉まで幅広く対応でき、労働組合系は、労働組合法上の団体交渉権に基づき、会社との交渉が可能です。民間系は、弁護士法72条により、会社との交渉ができず、退職の意思を伝える連絡代行のみが可能とされています。この違いを理解せずに料金だけで選ぶと、期待した対応が受けられない可能性があります。
チェックポイント2: 自分が求めている対応の内容
単に退職の意思を会社に伝えたいだけであれば、民間系の連絡代行でも目的を果たせる場合があります。一方、有給消化の調整や未払い残業代の請求まで必要な場合は、交渉ができる弁護士系・労働組合系を検討する必要があります。自分がどこまでの対応を求めているのかを整理してから業者を選ぶことが、ミスマッチを避ける近道になります。
チェックポイント3: 表示されている対応範囲の説明が明確か
サービスサイトに、対応できる範囲(連絡代行のみか、交渉まで対応するのか)が明確に説明されているかどうかも確認したいポイントです。東京弁護士会が2025年10月に公表した退職代行サービスと非弁行為に関する注意喚起を踏まえると、民間系でありながら交渉を行えるかのような表現をしているサービスには、特に注意が必要だと考えられます。
チェックポイント4: 追加費用の有無
退職代行ムリスルナの料金相場比較にもあるように、基本料金に加えて、状況によっては追加費用が発生するケースもあるとされています。表示されている料金が総額なのか、条件によって追加費用が発生しうるのかも、契約前に確認しておきたいポイントです。
損益分岐チェッカーで自分の状況を試算する
退職代行 元取れる?損益分岐チェッカーでは、月収や有給残日数、未払い残業代の心当たりを入力すると、3類型それぞれについて費用相場と回収見込み額を比較しながら、損益分岐の目安を確認できます。料金だけでなく、対応範囲も踏まえた上で検討する際の参考にしてください。まとめ
退職代行サービスの選び方では、料金の安さだけでなく、運営元の法的な立場、自分が求めている対応の内容、表示の明確さ、追加費用の有無といった点を総合的に確認することが大切です。
本試算は一般的な目安であり、実際に有給休暇を消化できるか・未払い残業代が認められるかは、勤務先の対応や個別の事実関係により異なり、結果を保証するものではありません。退職代行サービスは運営元の種類(弁護士系・労働組合系・民間系)によって対応できる範囲が法律上異なります(民間系は退職の意思を伝える連絡代行のみで、有給消化や未払い賃金の交渉は弁護士法72条により行えません)。個別の法的判断は弁護士等の専門家にご確認ください。(本ツールのデータの調査時点: 2026-09-12)
出典: 退職代行サービスの依頼金額に関する解説(ベンナビ労働問題)、退職代行の料金相場比較(退職代行ムリスルナ)、退職代行サービスに関する実態調査(エン・ジャパン、2023年)、退職代行サービスと非弁行為に関する注意喚起(東京弁護士会、2025年10月)